落ちながら飛ぶ」という,大いなる矛盾を体験

 本作の主人公であるキトゥンは,自身にかかる重力を自在に操る力を持った「重力使い」。そして本作の最大の特徴にして,最も面白い要素が,彼女の持つ能力を使った「重力アクション」だ。
 ゲームの舞台となる都市「ヘキサヴィル」は,空中に浮かんでいるという特殊な立地(?)ながらも,人々はその上で比較的普通の生活をおくっている。当然,重力は都市の地面の方向に対して働いているわけだが,キトゥンは,そのかたわらにいる猫のダスティの力により,自分にかかっている重力を自在に操ることができるのだ。

 PS4版では,[R1]を押すことで,キトゥンが無重力状態となって空中に浮かび,もう一度[R1]または[×]を押すことで,右スティックで向いている(丸いカーソルが薄く見えている)方向に重力が働く「重力チェンジ」が行える。例えば建物などの壁方向に向いて重力チェンジを行えば,その壁がキトゥンにとっての地面となり,壁のある方向に重力が働くというわけだ。

GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動 GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

 重力チェンジはキトゥンの持つ「重力パワー」があるかぎり維持され,その間は何度でも重力の方向を変えられる。重力のある方向へと落下しながら連続して重力チェンジを行うことで,「落下しながら空を飛ぶ」という大いなる矛盾を,本作ではたっぷり味わえるのである。

クロノス  RMT